【事業再構築補助金】第4回公募の採択結果が公開されました!
3月3日、令和2年度第3次補正予算「事業再構築補助金」の公式サイトにて第4回公募の採択結果が公開されました。採択結果は通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠、大規模賃金引上枠、最低賃金枠のすべてが公開されています。
第4回公募 採択結果
令和2年度第3次補正予算「事業再構築補助金」第4回公募について、令和3年10月28日(木曜日)から令和3年12月21日(火曜日)まで公募を行い、応募のあった19,673者について審査を行った結果、8,810者を採択しました。
引用元:経済産業省
第4回では応募があった件数は19,673件、採択件数は8,810件です。それぞれ通常枠、大規模賃金引上枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠、最低賃金枠における応募件数並びに満たした申請件数と採択結果については以下の通りの発表となっています。
応募件数 | 採択数 | 採択率 | |
---|---|---|---|
通常枠 | 15,036件 | 5,700件 | 37.91% |
大規模賃金引上枠 | 12件 | 6件 | 50.00% |
卒業枠 | 17件 | 8件 | 47.06% |
V字回復枠 | 0件 | 0件 | 0% |
緊急事態宣言特別枠 | 4,217件 | 2,806件 | 66.54% |
最低賃金枠 | 391件 | 290件 | 74.17% |
第4回公募での応募者数に対して申請受理件数が公開されておらず、本採択率は応募者ベースでの数値となります。
各枠の特徴については、こちらをご覧ください。
過去回との採択との比較をしてみますと、以下の通りとなります。
(※本採択率は応募者数ベースでの基準となっています)
通常枠については第3回とほぼ変わりない応募者数や採択率という結果となりました。今回では第3回より行われた通常枠の見直しが広く認知されるには時間として十分な第4回でしたので、応募者や採択への影響が表れるのではと推測していましたが通常枠では大きく感じられない流れとなりました。
緊急事態宣言枠も大きな動きはなく採択率は0.13%とわずかに減少という結果に留まりました。ですが、その中で目立って動きを感じられたのが卒業枠です。第2回・第3回と大きく変化は見せなかった本類型ですが、今回応募者数そのものが約1/3となり大きく減少しました。その背景には卒業枠の一部要件が今後の情勢が読みづらい現状では事業者にとって厳しいものであると認識されているのではないでしょうか。またグローバルV字回復枠が第3回と続き応募から0件という結果についても、上限補助金額が同金額となる大規模賃金引上枠の存在もありますが、こちらでも同様の影響があるのではと考えられます。
最低賃金枠については不採択でも加点が行われ通常枠でのでの再審査ということもあり緊急事態宣言特別枠と同様の措置が取られる枠組ですが、さらに優遇される枠となっています。採択率では対象として2回目ということもあり、前回より僅かの減少となっています。しかしながら70%を超える採択率であるため、要件を満たす必要があるものの今後も一定数の応募が考えられます。そして大規模賃金引上枠についても同様の動きとなりました。補助金額上限1億円ではあるものの賃金引上げ計画が必要な大規模な改革が求められる類型ですが、こちらも今後一定数の応募が期待されます。
全体の動きは、以下の通りとなります。
応募件数 | 申請受理件数 | 採択数 | 採択率 | |
---|---|---|---|---|
第4回 | 19,673件 | 未公開 | 8,810件 | 44.78% |
第3回 | 20,307件 | 18,519件 | 9,021件 | 44.42% |
第2回 | 20,800件 | 18,333件 | 9,336件 | 44.88% |
第1回 | 22,231件 | 19,239件 | 8,016件 | 36.06% |
応募者数では初めて2万人を切ることとなりました。徐々に応募者数の減少がみられますが、数ある補助金の中では依然として応募者の多い補助金です。要件やその補助金額・補助率についても多くの事業者にとって支援となり得ています。採択件数は第1回ぶりに9,000件を下回ることとなり、採択率としては50%に届かない推移となります。採択においては多くの類型が存在しつつも厳しいハードルがみられます。
公式サイトの採択結果より第4回の概要を見てみますと、業種別では以下の通りの発表です。
第4回においても引き続き、宿泊業・飲食サービス業と製造業、そして卸売業・小売業による応募や採択の割合が高い結果です。緊急事態宣言だけでなく、まん延防止等重点措置といった感染対策での影響を受けやすい業種です。
また、応募における金額では、以下の通りとなります。
第3回による通常枠の補助金額の見直しもあり、第4回においても3,500万円あたりまでバラつきのある応募金額となっています。全体的には4,000万円以下での応募が集中していますが、通常枠の各上限である4,000万円、6,000万円、8,000万円についての応募も前回と同様に高い件数となりました。
認定経営支援機関別での応募状況についてはこちらになります。
金融機関による応募が最も多く、次いで税理士関係、商工会関係となっています。応募の1000社を超える中では民間コンサルティング会社も多くの方が利用しており、応募数から採択率を見ると49%となる全体では高い採択率となっています。公開されているこれらのグラフは今後の事業者による認定経営支援機関への相談への参考になると思います。
これら詳細な概要は、公式サイトの採択結果にてPDFが公開しております。
現在では第5回の応募が開始しています。公募期間は3月24日までとなっています。
第5回においても一部要件に見直しが行われており、
1.新事業売上高10%要件の緩和
○3~5年間の事業計画期間終了後、事業再構築で新たに取り組む事業の売上高が、総売上高の10%以上となる事業計画を策定することを求めている要件について、付加価値額の15%以上でも認めることとする。
○また、売上高が10億円以上の事業者であって、事業再構築を行う事業部門の売上高が3億円以上である場合には、当該事業部門の売上高の10%以上でも要件を満たすこととする。
2.補助対象経費の見直し(貸工場・貸店舗等の賃借料)
○補助事業実施期間内に工場・店舗等の改修等を完了して貸工場・貸店舗等から退去することを条件に、貸工場・貸店舗等の賃借料についても補助対象経費として認める。なお、一時移転に係る費用(貸工場等の賃借料、貸工場等への移転費等)は補助対象経費総額の1/2を上限とする。
3.農事組合法人の対象法人への追加
○事業再構築への一定のニーズがあることを踏まえ、農事組合法人を対象法人に追加する。
このように見直し・変更が行われています。事業再構築補助金では様々な要件の変更や追加を行ってきましたが、第6回より大幅に見直しが計画されているため今後も事業再構築補助金についての動向に注視していきましょう。