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【事業再構築補助金】第5回公募の採択結果が公開。及び第6回再構築の枠組について

6月9日、令和2年度第3次補正予算「事業再構築補助金」の公式サイトにて第5回公募の採択結果が公開されました。採択結果は通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠、大規模賃金引上枠、最低賃金枠のすべてが公開されています。

目次

第5回公募 採択結果

令和2年度第3次補正予算「事業再構築補助金」第5回公募について、令和4年1月20日(木曜日)から令和4年3月24日(木曜日)まで公募を行い、応募のあった21,035者について審査を行った結果、9,707者を採択しました。

引用元:経済産業省

第5回の応募件数は21,035件、採択件数は9,707件です。それぞれ通常枠、大規模賃金引上枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠、最低賃金枠における応募件数並びに満たした申請件数と採択結果については以下の通りの発表となっています。

応募件数 採択数 採択率
通常枠 16,185件 6,441件 39.80%
大規模賃金引上枠 13件 8件 61.54%
卒業枠 21件 9件 42.86%
V字回復枠 1件 0件 0%
緊急事態宣言特別枠 4,509件 3,006件 66.67%
最低賃金枠 306件 243件 79.41%

第5回公募での採択率は応募者ベースでの数値となります。
各枠の特徴については、こちらをご覧ください。

全体の動きは、以下の通りとなります。

応募件数 申請受理件数 採択数 採択率
第5回 21,035件 未公開 9,707件 46.15%
第4回 19,673件 未公開 8,810件 44.78%
第3回 20,307件 18,519件 9,021件 44.42%
第2回 20,800件 18,333件 9,336件 44.88%
第1回 22,231件 19,239件 8,016件 36.06%
事業再構築補助金全体の推移(採択率は応募件数ベース)

第5回では過去2番目に多い応募件数となりました。前回比で応募件数107%、採択数110%と増加となり、採択件数も46%の過去最大の採択率という結果になりました。減少傾向にあった応募件数ですが第5回で大きく増える形となりました。直接的な要因はわかりませんが、この第5回公募期間ではコロナ感染者が日本全国で最大9万人規模となる大きく増えた時期でもあり、今後も続くであろうウィズコロナ社会を強く意識せざるを得ない期間でもあったのではと推察されます。

過去回との採択との比較をしてみますと、以下の通りとなります。
(※本採択率は応募者数ベースでの基準となっています)

第1回より続いている3つの申請枠について、通常枠は申請件数を大きく増やしました。前回比で応募件数108%増、採択件数では113%増となり、あわせて採択率も上昇しています。通常枠については補助金額や補助率の修正が行われており、後述する金額面を見ても上限金額に沿った応募が行われているのが見て取れます。通常枠ということもあり大きく落ち込むこともない申請枠ですが、採択率は常に30%台となっており採択にかなり高い水準の計画書が求められていることが伺えます。

緊急事態宣言枠も大きな動きはなく第3回より安定した推移と辿っています。通常の要件に緊急事態宣言による売上減少があったという要件があるものの、採択において優遇されやすいといった側面をもっていることもあり採択率も60%台を維持したままとなりました。

卒業枠について、前回に引き続き応募件数の少ない状態のままとなりました。応募の減少には中小企業から中堅企業へと大きく成長することが必要となるため事業計画においても思い切った施策が求められるというハードルの高さに加え、通常枠の上限の細分化もあり、中小企業に向けて最大1億円となる枠でしたがその影響を受けたことによるものと感じられます。

グローバルV字回復ですが、こちらは今回応募がありましたが残念ながら不採択との結果でした。もともと応募自体が稀であったため動きがなく推移してきましたが、グローバル展開を目指すことという要件のハードルの高さを感じざるを得ない結果です。

最低賃金枠については
不採択でも加点が行われ通常枠でのでの再審査ということもあり緊急事態宣言特別枠と同様の措置が取られる枠組ですが、さらに優遇される枠となっています。
第5回の最低賃金枠では応募の減少がみられますが、70%を超える採択率を維持しており高い成果を維持できている申請枠です。大規模賃金枠も半数以上の採択という結果が続き、事務所としても積極的な採択を執り行っている申請枠であると伺えます。名前の通り賃金に関わる要件がありますので安易に申請を目指すというわけにはいかないと思いますが、この採択率に着目すると条件を満たすことのできる事業者はこの2つの枠で申請を行うという、採択を目指す上での選択肢として現実味のある数字ではないでしょうか。

そしてここまで続いてきたグローバルV字回復枠と卒業枠、緊急事態宣言枠については第5回で終了となります。第6回より新たに創設された申請枠で応募する形となります。要件も変更されていますので公募要領をよく読み希望する枠での申請を行っていきましょう。

 公式サイトの採択結果より第5回の概要です。業種別では以下の通りの発表です。

第5回においても引き続き、宿泊業・飲食サービス業と製造業、そして卸売業・小売業による応募や採択の割合が高い結果です。緊急事態宣言だけでなく、まん延防止等重点措置といった感染対策での影響を受けやすい業種です。前回より変更点として補助対象業者の区分から【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】に農事組合法人も対象法人として加えられたことがあります。これは農業・林業については僅かですが引き続き応募あり、この分野でのニーズの存在がわかります。

また、応募における金額では、以下の通りとなります。

第5回の応募金額では、3,500万円あたりまでバラつきのある応募金額となっています。見直しがあった第3回と比べても大きく変化がなく、全体的には4,000万円以下での応募が集中しています。500万以下については緊急事態宣言枠や最低賃金枠では従業員数によりますが5人以下で100万~500万ということもあり、応募件数を鑑みても高い件数となります。通常枠の各上限である4,000万円、6,000万円、8,000万円についての応募も前々回、前回と同様に高い件数となりました。

 認定経営支援機関別での応募状況についてはこちらになります。

金融機関による応募が最も多く、次いで税理士関係、商工会関係となっています。弊社を含む民間コンサルティング会社での応募が2,727件ありこちらも多くの方に利用されています。採択率としても50.7%と全体では高い採択率となっています。公開されているこれらのグラフは今後の事業者による認定経営支援機関への相談への参考になると思います。

 これら詳細な概要は、公式サイトの採択結果にて公開しております。


第6回より、申請枠や応募要件が大きく変更されることとなりました。

そこで申請枠について改めてご紹介します。第6回からは、緊急事態宣言特別枠と卒業枠、グローバルV字回復枠が終了となり新たに回復・再生応援枠、グリーン成長枠の新しい申請枠が創設され、また通常枠での金額と区分の細分化などがあります。

申請枠 補助金額 補助率
通常枠 【】内は従業員数
【20人以下】100万円~2,000万円

【21~50人】100万円~4,000万円
【51~100人】100万円~6,000万円
【100人以上】100万円~8,000万円
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
大規模賃金枠 【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
回復・再生応援枠 【】内は従業員数
【5人以下】 100万円 ~ 500万円

【6~20人】100万円 ~ 1,000万円
【21人以上】100万円 ~ 1,500万円
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
最低賃金枠 【】内は従業員数
【5人以下】 100万円 ~ 500万円

【6~20人】100万円 ~ 1,000万円
【21人以上】100万円 ~ 1,500万円
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
グリーン成長枠 【中小企業者等】 100万円 ~ 1億円
【中堅企業等】100万円 ~ 1.5億円
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

各申請要件については以下の通りとなります。(赤色の要件が共通の要件となります。青色の要件が各申請において独自に追加される要件となります)

申請枠 申請要件
通常枠 ①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
②2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
(※)条件を満たさない場合、売上高に代えて付加価値額を用いることも可能です。
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること】

③事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること。
【認定支援機関要件】
④補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。【付加価値額要件】

大規模賃金枠
(不採択時には通常枠で再審査あり)

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
②2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
(※)条件を満たさない場合、売上高に代えて付加価値額を用いることも可能です。
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること】

③事業計画を認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること【認定支援機関要件】
④補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
⑤補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること【賃金引上要件】
⑥補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させること【従業員増員要件】
回復・再生応援枠
(不採択時には通常枠で再審査あり)
①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
②2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
(※)条件を満たさない場合、売上高に代えて付加価値額を用いることも可能です。
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること】

③以下の(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと【回復・再生要件】
(ア)2021 年 10 月以降のいずれかの月の売上高が対 2020 年又は 2019 年同月比で 30%以上減少していること
(※)売上高に代えて次の付加価値額を用いることでも可能です。
【2021年10月以降のいずれかの月の付加価値額が対2020年又は2019年同月比で45%以上減少していること】

(イ)中小企業活性化協議会等から支援を受け再生計画等を策定していること
④事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること【認定支援機関要件】

⑤補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
最低賃金枠
(不採択時には通常枠で再審査あり。加点措置により回復枠より採択率優遇)
①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
②2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
(※)条件を満たさない場合、売上高に代えて付加価値額を用いることも可能です。
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること】

③以下の(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと【最賃売上高等減少要件】
(ア)2020 年 4 月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で 30%以上減少していること
(イ)(ア)を満たさない場合には、2020 年 4 月以降のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること
④2020 年 10 月から 2021 年 6 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要件】
⑤事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること【認定支援機関要件】
⑥補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
※要件に合致すれば、地域や業種は問いません。
グリーン成長枠
(不採択時には申請により通常枠で再審査が可能。売上高等減少要件の提出が必要となる)
①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
②事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること【認定支援機関要件】
③補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】
<以下は既に過去の公募回で採択(※)又は交付決定を受けている場合>
※採択された事業を辞退した場合を除く。第 6 回公募においてグリーン成長枠を含む二つの事業類型に申請することはできません。
⑤既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】
⑥既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】

すべての枠組みで通常枠への再審査が可能となっています。グリーン成長枠については提出物が存在しますのでご注意ください。また、事業再構築補助金は1事業者につき1回と限られていますが、グリーン成長枠については特例的に過去支援をうけたことのある事業者も再度申請をすることができます。その際には別途提出書類が発生しますので、お考えの事業者は公募要領に従い提出書類を揃えて頂くこととなりますのでご注意ください。


第6回は申請受付中です。申請期間は6月8日18時~6月30日18時までとなっています。事業再構築補助金の公募について令和4年ではあと2回程度の予定となっています。
電子申請となるため、申請をお考えの事業者は早めの手続きとなるよう認定支援機関との連携をお願いいたします。


事業再構築補助金公式サイト
経済産業省