【ものづくり補助金 採択結果】第12次ものづくり補助金、採択結果について
令和元年度補正予算・令和3年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(一般型・グローバル展開型:12次締切)について、採択結果が公表されました。
目次
ものづくり補助金(一般型・グローバル展開型:12次締切)採択結果
令和元年度補正予算・令和3年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(一般型・グローバル展開型:12次締切)について、令和4年8月18日(木)から令和4年10月24日(月)まで公募を行い、応募のあった3,256者について審査を行った結果、1,907者を採択しました。
(引用:中小企業庁HP)
12次締切について、申請件数3,256件に対して1,907件が採択という結果となりました。この12次についての採択率は58.57%となります。
各申請枠における、申請件数、採択件数、採択率は以下の通りとなっています。
申請 | 通常枠 | 賃上げ回復型・雇用拡大枠 | デジタル枠 | グリーン枠 | グローバル展開型 |
---|---|---|---|---|---|
申請数 | 2,154件 | 145件 | 786件 | 115件 | 56件 |
採択数 | 1,270件 | 85件 | 463件 | 67件 | 22件 |
採択率 | 58.96% | 58.62% | 58.91% | 58.26% | 39.29% |
全体の推移については以下のグラフとなります。

第12回では増加傾向にあった応募者件数が再び減少、応募者数としては過去最低の件数となりました。採択率も前回より0.81減の58.57%となり、第9回より続く減少の動きに沿う形となりました。
各申請を見ていきます。まずは通常枠となります。

通常枠では2,154件の申請、1,270件の採択となり採択率は58.96%です。第9回より減少していた通常枠の採択率ですが前回より2.41高い58.96%となり、いったん回復の動きを見せることなりました。通常枠の応募については大きく減少しており、前回から約1,000件の減少はこれまでになく、通常枠の件数としては過去2番目に少ない申請件数でした。

グローバル展開型ですが、こちらは56件の申請、22件の採択、採択率は前回より僅かに減少の39.29%です。採択率の振れ幅としてはそこまで大きく動かず第7回よりほぼ40%台で推移しており、第7回から安定した採択率の動きとなります。

こちらは回復賃上げ・雇用拡大枠です。今回で3回目の申請が行われましたが、今回で採択率は約8%ほど減少しています。併せるような形で申請件数も減少しています。

デジタル枠は、通常枠に続いて2番目に申請が多い枠です。申請件数は251件減少、採択率も開始時の第10回、第11回では安定した採択率でしたが、第12回では減少となりました。

グリーン枠についても、同様の動きがみられます。
第10回より追加された申請枠である、回復賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠ではすべて採択率減少の流れになっています。申請は回を重ねる毎に厳しくなる傾向がありますので、第12回よりその傾向が見えてきたのではないでしょうか。
通常枠、グローバル展開型については回数も増え採択率のハードルは見て取れますが、これらまだ新たな申請枠の採択率については今後もその推移を注視する必要があります。
以下、参考として採択率の推移を表にまとめたものとなります。
採択率推移 | |||||
---|---|---|---|---|---|
通常枠 | グローバル 展開型 |
回復・雇用 | デジタル | グリーン | |
第1次 | 62.48% | ||||
第2次 | 62.25%(※) | ||||
第3次 | 66.06%(※) | ||||
第4次 | 47.11%(※) | 16.97% | |||
第5次 | 48.48%(※) | 28.75% | |||
第6次 | 47.32%(※) | 34.29% | |||
第7次 | 53.74%(※) | 41.94% | |||
第8次 | 67.11%(※) | 39.13% | |||
第9次 | 67.51%(※) | 39.34% | |||
第10次 | 58.81% | 40% | 66.53% | 66.79% | 69.72% |
第11次 | 56.55% | 40.79% | 66.52% | 66.92% | 66.46% |
第12次 | 58.96% | 39.29% | 58.62% | 58.91% | 58.26% |
賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠について
第10次より新しく創設されたこの申請枠について、改めてご紹介します。
賃上げ回復型・雇用拡大枠
賃上げ回復型・雇用拡大枠については、『業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が行う、革新的な製品・サービス開発又は生産ロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援』する枠になります。こちらは『応募締切時点の前年度の事業年度の課税所得がゼロであり、常時使用する従業員がいる事業者』が対象となるためご注意ください。
よって、申請において基本要件の他に以下の要件が必要となります。
- 前年度の事業年度の課税所得がゼロであること。
- 常時使用する従業員がいること。
- 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること。
デジタル枠
デジタル枠については、『DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援』する枠となります。
申請において、基本要件の他に以下の要件すべて満たす必要があります。
- ① DXに資する革新的な製品・サービスの開発であることまたは② デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善であること。
- 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。※1
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること。※2
※1:DX推進指標サイトリンク 自己診断結果入力サイトリンク
※2:「SECURITY ACTION」公式サイトリンク
新しく追加された【賃上げ回復型・雇用拡大枠、デジタル枠】の補助金額、補助率は次の通りとなっています。
従業員規模 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 100万円~750万円 | |
6人~20人 | 100万円~1,000万円 | 2/3 |
21人以上 | 100万円~1,250万円 |
賃上げ回復型・雇用拡大枠については全額返還のケースについて強く記されています。こちらを申請される場合にはお気を付けください。
<回復型賃上げ・雇用拡大枠において、給与支給総額又は事業場内最低賃金の増加目標が未達の場合>
(引用:第10次公募要領)
・回復型賃上げ・雇用拡大枠は、従業員に対する賃上げ等を前提とした優遇制度であることから、
上述の2つの増加目標未達の場合に加え、同枠で採択された事業者が補助事業を完了した事業年
度の翌年度の3月末時点において、給与支給総額又は事業場内最低賃金の増加目標のいずれか一
方でも達成できていない場合には、補助金交付額の全額の返還を求めることとします。
グリーン枠
グリーン枠については、『温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援』する枠となります。
要件においては、基本要件の他に以下のすべての要件を満たす必要があります。
- ①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発であること又は②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善であること。
- 3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること。
- これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと。
グリーン枠については補助金額上限が大きく設定されています。
従業員規模 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 100万円~1,000万円 | |
6人~20人 | 100万円~1,500万円 | 2/3 |
21人以上 | 100万円~2,000万円 |
追加された枠組については以上となります。
それぞれ基本要件の他、追加要件がありますので申請の際には要件を満たすよう注意しましょう。
今回の採択結果についてですが、採択結果のページに「13次公募の締切である12/22(木)まではコールセンターへの問合せの混雑が予想されるところ、今回の採否結果に関わる問合せは12/23(金)より受付けます」との注意事項が記載されております。今回の採択についてお問い合わせされる場合には注意しておきましょう。
現在第13次の公募が開始されていますが、第14次の公募も近日中に公開予定とのことです。今回不採択となった事業者の方は第14次への公募も検討してみてはいかがでしょうか。