【ものづくり補助金 採択結果】ものづくり補助金第15次締切の採択結果が公表されました。
9月29日金曜日、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」第15次締切の採択結果が公表されました。
目次
ものづくり補助金 第15次締切 採択結果
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の15次締切につきましては、令和5年4月19日から令和5年7月28日までの期間において公募を行ったところ、全国で5,694者からの申請がありました。
全国採択審査委員会において厳正な審査を行った結果、このうち、2,861者を採択することといたしましたので、お知らせいたします。
(引用:ものづくり補助金公式サイト)
15次締切について、申請件数5,694件に対して2,861件が採択という結果となりました。第15次についての採択率は50.25%となります。
各申請枠における、申請件数、採択件数、採択率は以下の通りとなっています。
申請 | 通常枠 | 回復型賃上げ・雇用拡大枠 | デジタル枠 | グリーン枠 | グローバル市場開拓枠 |
---|---|---|---|---|---|
申請数 | 3,872件 | 236件 | 1211件 | 155件 | 220件 |
採択数 | 1936件 | 117件 | 672件 | 62件 | 72件 |
採択率 | 50.00% | 49.58% | 55.49% | 40.00% | 33.64% |
全体の推移については以下の通りとなります。

第15次では応募数が5,694件と第7次以来の5,000件を超える応募がありました。第14次に続いて増加となります。しかしながら、採択率は僅かに減少し、こちらは厳しい数字が続く結果となりました。
各申請を見ていきます。まずは通常枠となります。
通常枠
ものづくり補助金の基本である、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する枠です。

通常枠の応募は、過去最大となる3,872件です。採択率は50%と第14次締切と同じ結果となりました。採択率は伸び悩んでいますが、第14次以降、大規模賃金引上げによる特例や加点項目の追加等の変更もあり、基本要件を満たせば応募できる通常枠は一層応募が集中していることが伺えます。
回復型賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が行う、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する枠となります。

採択率が僅かに50%を下回る49.58%となりました。第14次より大きな変化はありませんが、採択率の低下が目立ちます。
デジタル枠
DX(デジタルトランスフォーメーション)をするための革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する枠となります。

デジタル枠の採択率は55.49%。わずかに減少傾向にありますが、ものづくり補助金の中でも高い採択率となる申請枠です。応募についても通常枠の次に多く、DX化に取り組む事業者の拡大化が見て取れます。
グリーン枠
温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する枠です。
グリーン枠については、第14次より「エントリー類型」「スタンダード類型」「アドバンス類型」の3つの類型にわけられることとなり、要件を追加していくことで上限金額が大きく変化する枠となりました。

変更があった第14次では過去と比べて採択率は僅かな減少でしたが、第15次では採択率が大きく低下し、40%という結果となりました。類型ごとの応募数や採択数は公開されておらず詳細が把握できませんが、どの類型に多いかにより採択率が大きく動く可能性があります。
グローバル市場開拓枠
海外事業の拡大・強化等を目的とした「製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援する枠です。
グローバル市場開拓枠は、これまで公募のあったグローバル展開型を拡充した枠となります。第14次より創設され、「海外直接投資類型」・「海外市場開拓(JAPANブランド)類型」・「インバウンド市場開拓類型」・「海外事業者との共同事業類型」の4つ類型により成り立っています。

第15次では採択率33.64%とわずかに低下しました。
グローバル展開型と比べ枠の拡充により応募は大きく増えましたが、採択率については40%台で推移していたグローバル展開型を下回っており採択が厳しい状況です。
下の図は過去のグローバル展開型の推移となります。要件や上限金額等、仕様が変更されていますので参考としてご覧ください。

大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例
第14次より、大幅な賃上げに取り組む事業者について従業員数に応じて補助上限額を引き上げる「大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例」が実施されています。要件を満たし特例が認められた場合、最大で1,000万円の上限追加となる大きな取組です。
こちらの特例に適用されるための追加要件は以下の通りとなります。
(1)事業計画期間において、基本要件である給与支給総額を年率平均1.5%以上増加に加え、更に年率平均4.5%以上(合計で年率平均6%以上)増加とすること。
(2)事業計画期間において、基本要件である地域別最低賃金+30円以上の水準とすることに加え、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を毎年、年額+45円以上増額すること。
(3)応募時に、上記(1)(2)の達成に向けた具体的かつ詳細な事業計画(大幅な賃上げに取り組むための事業計画)を提出すること。
引用元:ものづくり補助金第15次 公募要領
特例を活かす場合、高い基準を満たす必要があり具体性、妥当性を考慮し、賃上げ達成の実現性の高い内容となる計画書作成が求められます。
ただし、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」・「各申請枠の補助金額の上限額に達しない場合」・「再生事業者、常勤従業員がいない場合」は、活用不可となっていますのでご注意ください。
賃上げに対する動きは政府による働きかけもあり、いま非常に重要な要素となっています。上記の特例の他、ものづくり補助金では賃上げを一定の基準を満たすと加点項目として認められています。申請を行う場合には賃上げが申請においてどのような影響があるのかチェックしておきましょう。
ものづくり補助金第16次締切は11月7日(火)17時
現在公募が開始してるものづくり補助金第16次についてのスケジュールは以下の通りとなります。
公募開始:令和5年7月28日(金) 17時~
申請受付:令和5年8月18日(金) 17時~
応募締切:令和5年11月7日(火) 17時
第16次の採択結果については、令和6年1月中旬頃が予定されています。
第16次の注目すべき変更点として、補助対象者に向けた内容がありますのでご注意ください。
補助金交付候補者として採択された後の手続きについて
交付決定前に、事業譲渡、会社分割等を行うことにより、補助金交付候補者の採択により生じる交付申請を行う権利を他者に承継することはいかなる理由においても認められません。事業譲渡を受けた者等の補助金交付候補者以外の者が交付決定を受けることはできませんのでご注意ください。
ものづくり補助金公募要領 第16次 6p
補助対象者について
経済産業省又は中小企業庁から補助金等指定停止措置または指名停止措置が講じられている事業者は補助対象となりませんのでご注意ください。
ものづくり補助金公募要領 第16次 8p
補助対象者について、補助対象外となる場合
※申請内容から判断します。また、該当することが判明した時点で補助対象外となります。事前に十分に確認してください。
ものづくり補助金公募要領 第16次 10p
これまでに交付を受けた補助金及び委託費の実績については、必ず応募申請書に記載してください。申請する事業が、これらとの重複を含んでいないか事前によく確認してください。
ものづくり補助金公募要領 第16次 11p
・事業の遂行(事業化状況報告を含む)に主体的でないと判断される事業者。(GビズIDを他者に貸し出す、他者が取得したGビズIDを使用する、事務局との窓口担当者を外部に任せる等の行為は主体的でないとみなします。)
ものづくり補助金公募要領 第16次 11p
補助対象事業の申請要件、申請枠及び補助率等について、以下に該当しない事業であること
⑥主として従業員の解雇を通じて、要件や目標の達成のために付加価値額等を操作させるような事業
⑧法令に違反する及び法令に違反する恐れがある事業並びに消費者保護の観点から不適切であると認められる事業
ものづくり補助金公募要領 第16次 13p
これらの要件に注意して申請を行う必要があります。
公募要領については随時更新されていきますので、確認を怠らないようにしていきましょう。ものづくり補助金について詳しく聞きたい、計画書作成に自信がないなどについては、申請をサポートしている認定支援機関にご相談されることをお奨めいたします。